読書メモ: 安心社会から信頼社会へ (1)
- 作者: 山岸俊男
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1999/06/01
- メディア: 新書
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「第1章: 安心社会と信頼社会」から
信頼と安心の定義
- 信頼と安心に共通して、相手が自分を搾取するような行動を取らないことを期待することを指す
- 「相手の能力に対する期待」は、ここでの信頼/安心の対象外
- 信頼とは、相手の人格や行動傾向の評価に基づいて、自分を搾取する意図がないことを期待すること
- 相手の良心に期待できるケースと、自分に対して好意を持っているケースがある
- 安心とは、相手の損得勘定に基づいて、相手が自分を搾取する行動を取らないことを期待すること
- 相手が自分を搾取する行動を取った場合、相手自身に損になる状況
社会的不確実性と信頼・安心
- 社会的不確実性とは、相手の行動によって、自分が不利益を受ける可能性がある状態
- 安心 = 社会的不確実性が存在しない状態
- 信頼 = 社会的不確実性が存在するにも関わらず、相手が自分に対して不利益を及ぼさないと確信できる状態
安心社会/信頼社会の崩壊
- 日本における「安心社会の崩壊」
- 日本型システムに対する不信 (雇用不安、学級崩壊、etc.) → 社会的不確実性
- アメリカにおける「信頼社会の崩壊」
- 信頼の欠如による規則の強制 → 効率低下 (例: 役人に対する不信→お役所仕事)
- 信頼を中心とする関係資本 (social capital) の減少