『パターン、Wiki、XP』読書メモ (その1)
この本、しばらく前に届いた後積ん読していましたが、RubyKaigi2009でテンション上がった勢いで読み進めています。
パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
- 作者: 江渡浩一郎
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まだ前半までしか読み終えていませんが、今までの自分の経験や見聞から形成されたぼんやりした価値観に近いものが、どういう背景を持つものかがかなり明確に言語化されている感じがして、読んでいてワクワクします。
以下、まとめて感想という形で書くのは荷が重いので、読書メモという形で気になったところをピックアップします。
1章: クリストファー・アレグザンダーによる美の原理の追及
- 恥ずかしながら、この本を読むまでクリストファー・アレグザンダーの存在を知りませんでした…
- ツリー化した構造分析に基づくダイアグラム作成。一種の制約充足問題?
- 「都市はツリーではない」。長い年月をかけて形成された自然都市がツリー構造を持たないのは直観的に理解できます。
2章: アレグザンダーの6つの原理
- ここで言う「6つの原理」とは、『オレゴン大学の実験』(1975年) で示された以下の原理。有機的秩序の原理、参加の原理、漸進的成長の原理、パターンの原理、診断の原理、調整の原理。
- 全体としてソフトウェア開発におけるバザールモデル、あるいはブログやソーシャルブックマークのようなCGMを連想します。
- ブランコの比喩はよく見かけますが、『オレゴン大学の実験』で有名になったものだそうで。
3章: パターンランゲージ
4章: 時を超えた建設の道
- キーワードは、「無名の質」(Quality Without A Name, QWAN)
- まあ、「無名の質」はよく分からないですね。意訳すると、「えも言われぬいい感じ」(by 角谷信太郎さんと。
5章: パターンランゲージによる建築の実際
6章: アレグザンダーの現在
- 建設の世界ではアレグザンダーの影響力は小さいものにとどまったとのことで、仮にアレグザンダーの理論による都市計画がなされたらどうなっただろうと考えると、惜しい感じがします。