AppleによるJavaサポート終了の報道に関する考察

アップル、「Mac OS X」のJavaを更新--今後の同梱中止を示唆 (CNET Japan)

この記事によると、

Apple公式サイトにもこれを裏付ける記述があるので、一応事実と判断して良さそうです。

この件がAndroid開発環境に与える影響について考察してみます。

OracleによるMac OSJava提供の可能性

現在はOracle (旧Sun) によるMac OSJDK/JREの配布はなされていませんが、今後Appleによる提供が停止した場合Oracleにサポートが引き継がれる可能性はあるでしょう。

ただし、他のプラットフォーム (Windows, Linux, Solaris) と比べた場合の優先度と、Map App Storeからの締め出しを考慮に入れると、OracleにとってMac OSの優先度はどの程度のものか? という疑問があります。

少なくとも、一部はてブコメントやTwitter上の発言に見られるような、「OracleMac OSJDKを提供して当然」ということはないと思います。

OpenJDKのMac OS版の可能性

JDKオープンソース版であるOpenJDKが、現在のMacJavaの代替になる可能性があります。

ただし、公式にはOpenJDKのMac OS版バイナリは配布されていないことから、少なくともすぐにMac OS上で動くという状況にはないようです (詳しい状況は知りませんが…)。

1つの可能性としては、GoogleがOpenJDKプロジェクトに協力して、Mac OS版OpenJDKの開発を後押しすることがありえます。

希望的観測としては、仮にAppleOracleから見放されたとしても、OpenJDKによるJava実行環境が継続されることに期待したいところです。

Android SDKMac OSサポート打ち切りの可能性

悲観的な予測としては、AppleからもOracleからもJavaMac OSサポートが継続されず、OpenJDKのMac OS版も実用レベルに達せず、その結果Android SDKの動作環境からMac OSが外される可能性もありうると思います。

こうなるかどうかは、GoogleにとってAndroid (+GAE) 開発プラットフォームとしてのMacをどの程度重視しているかに依存しそうです。

Androidの開発言語変更の可能性

Oracleとの対立を避けるためなどの理由により、Androidの開発言語がJVMベースでない言語に移行する可能性も一応はあります。
おそらく可能性は低いと思いますが…

…その場合は、Googleオリジナル言語であるGo言語が有力ですかね? すでにMac OS版もあるし…

Appleによるサポート継続の可能性

iOS SDKのライセンス契約について、過去に開発言語の制限を導入して、後に緩和した経緯があります。
Apple、iPhoneアプリ開発ツールの制限を緩和 アプリ審査基準も公開 (ITmedia)

この事例から類推して、今回の件で開発者からの反応を元に決定を変える=AppleによるJDKサポート継続の可能性もありそうです (多少状況は違いますが…)。

予想

最後に一応私の予想。

実際問題としてJDKのサポートがAppleからOracleに移管する形で合意がなされている可能性も高いとは思いますが、決してそれは当然ではないという意思を込めて、あえて

Oracleにサポートは引き継がれず、代替手段としてOpenJDKのMac OS版が登場」

という線で予想します。

いずれにしても、個人的には、何らかの救済策が見えるまではMac購入は見送りということで…